自然を活かしたパッシブデザインと心癒す庭
プロが家づくりに込めたメッセージ
人と、家と、自然がのびやかに繋がる
心地よさをデザインする
監修・設計
建築家 野沢 正光 氏
設計のベースは、自然の力を最大限に活かす「パッシブデザイン」。土地を読み、太陽の動きや風を読み、家を建て、敷地の余白には緑の庭を仕立てます。
鹿児島の場合、蒸暑地気候への対策は必須。夏の陽射しはできるだけ遮断し、風をコントロールし、植栽によってデッキに涼やかな木陰を作り出します。冬は陽光を取り込み、ひだまりを室内へと導き入れる。高断熱と高気密、ウィンドキャッチャー、OMソーラー、外部ルーバーなど多彩な工夫を凝らし、高い機能性とデザイン性を持たせています。
同時に、数値で表せない「快適さ」や「居心地の良さ」もプランの妙。窓の向こうに気持ちのいい風景を取り込むことで、住まい手と街と自然が豊かに、のびやかに繋がっていく家づくりを提案しています。
野沢 正光[のざわ・まさみつ]
1944年東京都生まれ。東京藝術大学美術学部建築科卒。1974年に「野沢正光建築工房」を設立。横浜国立大学理工学部建築都市・環境系学科非常勤講師。著書に『パッシブハウスはゼロエネルギー住宅』ほか。
http://www.noz-bw.com
観て・触れて・育てて愉しむ。
鹿児島の四季を感じる庭づくり
造園
造園家 楠 耕慈 氏
鹿児島の在来樹木や山野草を使った庭づくりは、すなわち鹿児島の豊かな原風景を再生することです。一番身近な自然である庭で、季節の移ろいを感じることが、自然との調和であり共存です。
植物は、時に人の情景を映し出し、それぞれの心に眠る野趣や憧憬を思い起こさせます。楽しみながら、遊びながら、愛情を注いで育ててみましょう。緑の表情が豊かになれば、きっと家族の表情もみずみずしく晴れやかになるでしょう。
夏の強い日差しや風を遮り、冬にはあたたかな木漏れ日を落とす庭。溶岩石の築山によって景色を整え、波紋がゆらめく水鉢は清涼感を演出します。
観て愉しむ、触れて愉しむ、育てて愉しむ。四季折々の「風が見える庭」をお愉しみください。
楠 耕慈[くすのき・こうじ]
1969年東京都生まれ。高校卒業後、東洋医学を学び、国家資格を取得。「本当の癒しは“植物とともにある暮らし”である」との思いで、庭づくりの道へ。2002年より「野草の庭・茶庭づくり 風(ふわり)」を主催。
http://www.28fuwari.com