vol.3 MOOK HOUSEのこれまで① ~開発のきっかけとパッシブデザイン

今回は、ヤマサハウスからMOOK HOUSEが誕生したきっかけや、これまでの歩みについて、ふれていきたいと思います。少し難しい内容もございますが、ご興味をお持ちいただけたら幸いです。
 
ヤマサハウスは、地域に根差す工務店としてお客様の安全と健康を第一に考え、鹿児島ならではの台風や火山灰に負けない家を、これまで8000棟ほど建てて参りました。高気密高断熱などの 省エネ や、ライフサイクルを考えた 省CO2 といった、住宅の性能面は特に重視してまいりましたが、

もっと住む人が愛着をもち、世代を超えて長く住み継ぐ家をつくっていきたい。

 
その想いから、2013年にMOOK HOUSEの構想がスタートしました。
 
暮らしのカタチは家が決めるものではなく、暮らしが積み重なってできていくもの。
完成した時にピークを迎える家ではなく、これから何十年も先の未来に向かって家族と共に歩んでいく家づくりをしたい。
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そんな理由から、
従来と大きく異なる、構造体と内装や設備を分離したスケルトンインフィル工法を採用することに。 
家族構成や生活スタイルの変化に伴い、間取りを柔軟に変更しやすいことが特徴です。
 
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また、どんなに大切に丁寧に暮らしていても、どうしても設備(キッチンや衛生器具等の住宅設備)は時代と共に大きく変化してしまうもの
家に比べて寿命も短いため、容易に更新できることが必要です。 
外周部の壁と数本の大黒柱に構造を背負わせ、間仕切り壁を自由に変更しやすいフレキシブルな構造形式を実現しました。
もちろん、いつ起こるかわからない地震にも安心な耐震性能や、本来得意とする省エネ性能も備え、末永く世代を超えて住まいを引き継いでもらうための大きな一歩となりました。
 
 

ヤマサハウスらしい木のぬくもりを存分に感じられる空間。

そして、太陽の光や風、庭の樹木など自然の恩恵を活かした心地よい空間をつくりだしたい。 

 
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少しずつ、構想が固まっていくにつれ、「お客様に安心いただける性能に加え、パッシブな手法を用いていっそう住まい手にやさしい家を提供したい、できるようになりたい」との想いが強まります。 そんな中で出会いがあり、(出会いについては後述いたしますが) 環境と共生する家を数多く手掛けてきた建築家・野沢正光さんに、立ち上げの1棟目であるモデルハウス(現・桜ヶ丘ビュータウンモデル01)の設計に携わっていただくことが決まりました。
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パッシブデザイン ・・・・太陽の光や熱、風といった自然の恵みを上手に採り入れることで、エアコンなどの機器をなるべく使わず快適に過ごすことを目指した設計のこと。
『繋がる家』モデルハウスには、野沢先生によるパッシブデザインに関する著書も数点ございますので、気になる方はお手にとりください
 
 パッシブデザインの手法の一つに「太陽熱利用暖房」があります。
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とても難しい手法ではありますが、
日照時間の長い鹿児島では太陽の恵みをより多く受けられること、その上(スケルトンインフィル工法で実現する)オープンな空間でも温度差がほとんどなく頭寒足温で気持ちよく健康に暮らせること にも後押しされ、
当社としては初めての試みとなるOMソーラーの導入を決めました。
OMソーラーでは、NEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)に採択された「OM太陽熱フル活用住宅の研究開発」を推進しており、 MOOK HOUSEが全国5地域に建築される実証住宅の一つに選定されました。
テーマは「蒸暑地、鹿児島でいかに太陽熱を住居に活用するか」
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日射を遮る木製ルーバーを開閉して蓄熱量を計測するなどの実証実験を行い、より省エネルギー性の高い住宅の実現についても追及いたします。(このプロジェクトを通じて、建築家の野沢正光さんと出会うことができました。)
 
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難しいことを書き綴ってしまいましたが、
当社にとっても大きなチャレンジであるこの構想。
多くの想いや工夫、知恵がひとつになり、
2014年、見晴らしの良い桜ヶ丘ビュータウンに記念すべきMOOKHOUSEの一棟目が着工いたしました。
 
長くなりましたので、続きは次回・・・
 
商品企画 郡山
広報担当・プランナー 田中
 

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